作品概要 〈地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演〉シリーズ第三作。新興成金と没落貴族の哀しみとおかしみを描いたこの戯曲の上演にあたり、床面に一円玉を敷き詰めた美術プランを採用。京都中の銀行を両替してまわった。古い価値観に縛られ、置き去りにされる人間と、新しい制度の中でも決して充足を得ることのできない不安な存在としての人間を描いた名作。

 

 

撮影:青木司

 

2007  
日程・会場
2007.11.8-18 アトリエ劇研
2008  
日程・会場
2008.10.18-22 吉祥寺シアター
2011  
日程・会場
2011.2.17 メイエルホリド・センター(モスクワ)
2011.5.21-22 イムズホール(福岡)
 
原作 アントン・チェーホフ
翻訳 神西清
演出 三浦基
出演 安部聡子
石田大
岩澤侑生子
大庭裕介
小林洋平
谷弘恵
スタッフ 演出助手:村川拓也
照明:吉本有輝子
映像:山田晋平
舞台美術:杉山至+鴉屋
音響:堂岡俊弘
衣裳:堂本教子
舞台監督:浜村修司 鈴木康郎[東京公演] 大鹿展明[モスクワ・福岡公演]
宣伝美術:納谷衣美
制作:田嶋結菜
  京都芸術センター制作支援事業
主催 地点 財団法人武蔵野文化事業団[東京公演]
助成 財団法人セゾン文化財団 EU・ジャパンフェスト日本委員会 
平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 
平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業)
  [京都公演]平成 19 年度文化庁芸術祭参加公演 アトリエ劇研提携公演
[東京公演]協賛:株式会社資生堂
[福岡公演]共催:イムズ 制作協力:アートマネージメントセンター福岡
第5回福岡演劇フェスティバル参加作品 イムズ パフォーミングアーツシリーズ2011 Vol.4
受賞 平成19年度文化庁芸術祭新人賞受賞

 

 

〈地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演〉シリーズ第三作。新興成金と没落貴族の哀しみとおかしみを描いたこの戯曲の上演にあたり、床面に一円玉を敷き詰めた美術プランを採用。京都中の銀行を両替してまわった。古い価値観に縛られ、置き去りにされる人間と、新しい制度の中でも決して充足を得ることのできない不安な存在としての人間を描いた名作。

三浦 基

出典:チラシ
劇評 三浦基がチェーホフの原作を構成・演出し、鮮やかな一篇の現代劇が成立した。(中略)ロシアの風景が細い帯のように壁に映し出される。桜の園の近くの鉄道を、現代風の列車が行き過ぎる映像が繰り返される。急速に近代化されるロシアを、効率化され功利的になりすぎた現代社会と重ね合わせる演出だ。気がつけば、舞台の床は、鈍く光る無数の一円玉でおおわれている。硬貨の上でまろび、転ぶロパーヒン。それは農奴階級から成り上がり、桜の園を買って喜ぶすがたにも、金のために均衡を失い、たいせつなものを見失ったすがたにも見える。

京都新聞2007年11月14日夕刊
太田耕人