作品概要 三浦基の初期の代表作を再創作。2007年から始まった〈地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演〉は本作をもって一応の完結を見た。地点初の大阪公演、また、東京では吉祥寺シアターで『桜の園』と2本立て公演を行った。ダンサーの砂連尾理をはじめ、総勢4名の客演を迎え、映像も駆使しての新バージョンが生まれた。

 

 

 

撮影:青木司

 

 

2008  
日程・会場
2008.7.5-13 大阪市立芸術創造館
2008.10.11-14 吉祥寺シアター
 
原作 アントン・チェーホフ
翻訳 神西清
演出 三浦基
出演 安部聡子
石田大
大庭裕介
小林洋平
谷弘恵
岡嶋秀昭
窪田史恵
砂連尾理
山村麻由美
スタッフ 演出助手:村川拓也
照明:吉本有輝子
映像:山田晋平
美術:杉山至+鴉屋
音響:堂岡俊弘
衣裳:堂本教子
舞台監督:大鹿展明
宣伝美術:納谷衣美
制作:田嶋結菜
  京都芸術センター制作支援事業
主催 地点 大阪市[大阪公演] 財団法人武蔵野文化事業団[東京公演]
助成 財団法人セゾン文化財団 EU・ジャパンフェスト日本委員会 
平成20年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動重点支援事業) 
アサヒビール芸術文化財団[大阪公演]

 

 

たぶん、この戯曲はチェーホフの最高傑作だと思う。人間のドラマとはあこがれと絶望の狭間にあるのだと言い切り、劇とは「時代」という大きな時間を描くのだと詰め寄る。これを演出してつまらなくなるのはよっぽどのことだ。
『三人姉妹』を初演したとき、演出において私なりの方法を持ち得たという実感があった。しかし今思えばそのときの演出はかなりあてずっぽうであった。改めてこの作品にのぞむにあたり、そのあてずっぽうと、少しは冷静になった現在の心境とを照らし合わせてみたい。それはきっと、新たな演劇の形式を発見するための、抜き差しならぬ実験になるだろう。
まあ、こちらの事情はさておき、観客のみなさんは安心してほしい。先にも言ったように、チェーホフの『三人姉妹』がつまらないなんて、よっぽどのことなのだから。

三浦 基

出典:チラシ