作品概要 地点『かもめ』の決定版となったアンダースロー版。劇中劇の上演や、劇作家や女優が登場するといったメタ構造を際立たせ、ドキュメンタリー性の高い作品となった。幕前のニーナによるティーサービスはなくてはならない演出の一つ。いつもより少し早めに会場に来て楽しむのがおすすめ。

 

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撮影:松本久木
 

 

2013  
日程・会場
2013.12.28-29 アンダースロー
 
2014  
日程・会場
2014.1.1-3 / 5.2-5 / 10.24-27  アンダースロー
2014.9.18  Vladimir City Recreation Center(ロシア・ヴラジーミル)
2014.9.21  Volkov Theatre(ロシア・ヤロスラーヴリ)
 
2015  
日程・会場
2015.2.5-6&13-14 / 5.2-4 / 8.29-9.1  アンダースロー
2015.5.9-11  愛知県芸術劇場 小ホール
2015.8.20, 22-23 Môtier(スイス・ロマンモティエ)*Les Scènes du Chapiteau参加 
 
原作 アントン・チェーホフ
翻訳 神西清
演出 三浦基
出演

安部聡子
石田大
小河原康二
窪田史恵
河野早紀
小林洋平

スタッフ 照明:藤原康弘
音響:堂岡俊弘
衣裳:堂本教子
舞台監督:大鹿展明、世古口善徳(愛知県芸術劇場)[愛知公演]
制作:小森あや、田嶋結菜
主催 合同会社地点
愛知県芸術劇場(公益財団法人愛知県文化振興事業団)[愛知公演]
助成

文化庁 [ロシア公演、アンダースロー公演2014, 2015]
芸術文化振興基金 [愛知公演]

  文化庁委託事業「平成26年度文化庁戦略的芸術文化創造推進事業」*2014.10.24-27公演
文化庁委託事業「平成27年度文化庁戦略的芸術文化創造推進事業」*2015.8.29-9.1公演
 
 
「さあ、これが僕の劇場だ」とは、チェーホフの『かもめ』の主人公トレープレフのせりふで、私の演出では劇のはじまる第一声にしている。これまでさまざまな場所で上演してきたが、冒頭でこのせりふが発せられる度に、劇がその空間を乗っ取るような効果を生み出し、『かもめ』は私自身の劇場に対するロマンとアイロニーが詰まった作品になった。つまりどこでやろうと芝居はその場所に居着かなければ意味がないし、そんな演劇の醍醐味を『かもめ』では感じてきた。ついに自分たちの劇場をオープンした地点が、初めての年越しの演目にこれを選んだのは、だから当然の成り行きなのだが、果たしてこれがどう響くのかは見物だと思っている。なぜならば、新しい形式を模索したトレープレフは、やがて芸術にも人生にも挫折して自殺するのだから、縁起が悪過ぎます。

三浦基

(CATALOGUE2014-1より抜粋)