作品概要 アンダースローのレパートリーとして2014年に創作された改訂版。女主人・ラネーフスカヤを中央に囲み正面を見据えたまま動かない家族たち。七転八倒するロパーヒンと月を眺めて未来を語るトロフィーモフ。古い価値観に縛られ、置き去りにされる人間と、新しい制度の中でも決して充足を得ることのできない不安な存在としての人間を書いたチェーホフの遺作。

 

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撮影:松本久木
 

 

   
2014  
日程・会場
2014.6.20-7.28 / 11.1-5  アンダースロー
 
2015  
日程・会場
2015.1.1-3/9.10-13/12.2-4  アンダースロー
 
 
原作 アントン・チェーホフ
翻訳 神西清
演出 三浦基
出演

安部聡子
石田大
小河原康二
窪田史恵
河野早紀
小林洋平

スタッフ 舞台美術:杉山至
衣裳:堂本教子
照明:藤原康弘
音響:堂岡俊弘
舞台監督:大鹿展明
制作:小森あや、田嶋結菜
主催 合同会社地点
 
助成

芸術文化振興基金 [2014.6-7]

  文化庁委託事業「平成26年度文化庁戦略的芸術文化創造推進事業」*2014.11.1-5公演
文化庁委託事業「平成27年度文化庁戦略的芸術文化創造推進事業」*2015.9.10-13公演

 

 
あれからもう三年も経とうとしているけれど、初めて地点がロシア公演をしたのが、『ワーニャ伯父さん』と『桜の園』の二本立て上演だった。2月の極寒のモスクワ、メイルホリド・センターでの公演は熱烈な観客の拍手で幕を閉じた。私たちはこの公演で成功した。想像してみて欲しい。どこかの外国のカンパニーが日本の戯曲を上演するために、のこのこ来日してきた。それをおもしろがったりすんなり受け入れたりするだろうか。そのハードルは高いに決まっている。そういう恐ろしい客席との緊張関係を今でも鮮明に覚えている。繰り返すが、この二本は彼の地で確実に成功した。地点の伝説としてそっとしておけばいいのに、節操なくもう一度引っ張り出す。演劇は彼の地ではなく、この地で成功しなければいけないからだ。言うまでもなく京都は北白川のアンダースローにおいてです。

三浦基

(CATALOGUE2014-1より抜粋)