2015/04/18 Category:

カルチベート・プログラム2014報告エッセイ集ができました。 

 

 

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観劇の楽しみを個々人が発見することを目的に開催されたアンダースロー「カルチベート・プログラム」。
プログラム参加の条件は、アンダースローで地点のレパートリー6作品を観劇し3回のレクチャーに参加すること、
そして、プログラム修了後に報告エッセイを書くことでした。

2015年1月末に受講生のみなさんから続々と届いた多種多様、かついずれも読み応えのある報告エッセイ。
ひとつひとつ、ゆっくり読めるように、文庫本のかたちにまとめてみました。
タイトルは上演作品のひとつ、ブレヒト作『ファッツァー』(津崎正行訳)の台詞からの引用です。 
 
 
 
かつて太田省吾は、観客はひとりだと馬鹿なのに大勢になると、とたんに賢くなると言った。私は自分のことをまさにその観客のひとりであると思っている。演出とは、個人の妄想などではなく、まさに大勢の目の賢さのことだからだ。ここに記されたエッセイは、本来なら不特定多数の観客でしかない人々があえて名乗ってしまったものである。今は亡き太田省吾に読ませたい。ほら、賢い観客は、こんなことを考えていたんだよ、と。大勢から、再びひとりになる勇気を持った観客たち。彼ら彼女らの名前はもはや記号でしかない。このエッセイ集は、一級の演劇論である。私からは何も言う事はない。この感動に作品で応えていくしかない。
 
未知の観客たちよ、演劇には希望がある。
 
三浦基
 
後記より転載
 
 
 
この報告エッセイ集は、公演時にアンダースローでお求めいただけます。
また、デザインを担当した松本工房のオンラインショップで購入可能です。
販売価格:540円