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公演予定 > 2023.2.16-23『騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!』
いったい誰が、私たちなんかを監視したがるのでしょうか、私たちは何でもありません、私たちは取るに足りない人間でしかありません、億万長者が私たちなんかに興味をもつはずがないでしょう、私たちが自分の客だというわけでもあるまいし、どうしてそんな人が、私たちを破滅させる発明のためにお金を払うというのでしょうか、私たちに、わざわざそんなことをするほどの価値はありません、私たちの生き残りはどこにいるのですか、どこにいればやられないですむのですか、どこに行けば客でありつづけることができるのですか。いったい、どこに行ってしまったのですか、客は。誰も来ないではありませんか。
2021年夏に独ハンブルクで初演された『騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!』(原題:Lärm. Blindes Sehen. Blinde sehen!)を本邦初上演いたします。ホメロス『オデュッセイア』が引用され、人間を豚に変える女神キルケが登場、また、ハイデガーの『存在と時間』が重要なモチーフとなっているイェリネク最新戯曲。パンデミック下の陰謀論やメディアの狂騒、その行き着く先の不穏さが皮肉とユーモアを交えながら描かれています。
第7波、第8波と、寄せては返す波のように増減を繰り返す感染者数と『オデュッセイア』のイメージが掛け合わされたからなのか、テキスト中に頻出する「海」を手がかりに、コロナ下に自粛を求められた祭祀、自然や先祖に対して祈るという行為についても、劇場で観客のみなさんといっしょに考えてみたいと思っています。『光のない。』『スポーツ劇』に続く、木津潤平×三輪眞弘×三浦基のイェリネク最新作!どうぞお楽しみに!!
地点『騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!』
作:エルフリーデ・イェリネク
翻訳:津崎正行
演出:三浦基
音楽監督:三輪眞弘
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気
演奏:ジャワガムランアンサンブル・マルガサリ(大井卓也・谷口かんな)
舞台美術:木津潤平 衣裳:コレット・ウシャール 照明:藤原康弘 音響:徳久礼子(KAAT)
舞台監督:大鹿展明 宣伝美術:松本久木 制作:田嶋結菜 外山りき
日程:
2023年
2月16日(木)19:00
2月17日(金)19:00★
2月18日(土)19:00
2月19日(日)15:00
2月20日(月)休演日
2月21日(火)19:00
2月22日(水)19:00★
2月23日(木・祝)15:00
開場は開演の30分前
★終演後トークあり
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◎2月17日(金)19:00開演の回終演後
出演:三浦基、三輪眞弘(作曲家/音楽監督)
◎2月22日(水)19:00開演の回終演後
出演:三浦基、木津潤平(建築家/舞台美術デザイン)
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会場:KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
〒231-0023横浜市中区山下町281 TEL. 045-633-6500
料金:(全席指定/税込)
一般 前売4,500円/当日5,000円
学生 前売3,500円/当日4,000円
高校生以下 前売3,000円/当日3,500円
チケット発売日:
2022年9月17日(土)10:00〜
KAme先行発売 2022年9月10日(土)
チケット取扱:
窓口 KAAT神奈川芸術劇場2階(10:00〜18:00)
主催:合同会社地点
提携:KAAT神奈川芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興
作|エルフリーデ・イェリネク Elfriede Jelinek
詩人、小説家、劇作家。1946年オーストリア生まれ。ビューヒナー賞をはじめ数々の賞を受賞。小説『ピアニスト』(1983)は2001年にミヒャエル・ハネケによって映画化され、同年カンヌ映画祭でグランプリを受賞した。2004年、「豊かな音楽性を持つ多声的な表現で描いた小説や戯曲により社会の陳腐さや抑圧が生む不条理を暴いた」功績により、ノーベル文学賞を受賞。
演出|三浦基 Motoi Miura
地点代表、演出家。1973年生まれ。2007年、チェーホフ作『桜の園』で文化庁芸術祭新人賞受賞。2017年、イプセン作『ヘッダ・ガブラー』で読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。その他、京都市芸術新人賞など受賞多数。2012年にはロンドン・グローブ座からの招聘でシェイクスピア作『コリオレイナス』を上演するなど海外でも高く評価されている。著書に、『おもしろければOKか? 現代演劇考』(五柳書院)、『やっぱり悲劇だった「わからない」演劇へのオマージュ』(岩波書店)。
音楽監督|三輪眞弘 Masahiro Miwa
作曲家。1958年東京生まれ。1980年代後半からコンピューターを用いたアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。音楽についての独自の方法論「逆シミュレーション音楽」で2007年アルスエレクトロニカ、デジタル・ミュージック部門グランプリ(ゴールデン・ニカ)、2010年芸術選奨文部科学大臣賞、2020年サントリー音楽賞などを受賞。旧「方法主義」同人。人工音声歌唱ユニット「フォルマント兄弟」の兄。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授。
美術|木津潤平 Junpei Kiz
1969年愛知県生まれ。建築家。東京大学で香山壽夫氏に師事。米国建築家協会Japan Design Award大賞、英国Archtectual Review Awardsなど受賞。舞台の空間デザインにSPAC『マハーバーラタ』『アンティゴネ』(仏アヴィニョン演劇祭招待作品)、現代オペラ『浜辺のアインシュタイン』(神奈川県民ホール)など。地点のアトリエ「アンダースロー」、アンダースローの食堂「タッパウェイ」の設計も手がける。
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