地点はロシアの劇作家アントン・チェーホフの長編戯曲『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』をすべて舞台化し、再演可能なレパートリーとする<地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演>シリーズを2007年より2年間かけて制作してきました。
2009-2010年度は、4作品のうち『ワーニャ伯父さん』と『桜の園』の2作が巡演可能です。
演劇でなにか夢を見たいと思うと、チェーホフの登場人物たちがごっそりと立ち現れます。『桜の園』のロパーヒンと『三人姉妹』のチェブトイキンが、同じ舞台にいたら何を語り合うんだろうなんて空想も含めて、私にとってチェーホフは大変な状況です。なぜチェーホフかという問いに、きちんと答えられないのは、「好きだから」という感情をどうやって隠そうかと思いあぐねているからです。なぜ隠そうとするのかと考えると、それは演出とは関係のないことだと思うからです。だからもう、チェーホフはあんまり好きではありません。なぜ、チェーホフをやるのか? 二年かけて四大戯曲を全部やるという計画がおおごとなのではない。近代を超え、演劇の現代性と出会えるのではないかという私のほのかな期待が事を大きくしているのです。これをやらなければその先に行けない気がしたのです。
三浦 基
*シリーズ第一作『ワーニャ伯父さん』チラシより