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言葉があり、空間があり、音楽があり、身体がある。
舞台芸術が総合芸術です。
ただし一口に舞台芸術といっても、日本には能・歌舞伎・文楽といった伝統芸能もあれば、
近代化とともに輸入されて以降、
時代に応じてさまざまな技術や才能を生み出してきた現代演劇もあります。


「観劇観能エクスチェンジプログラム」は、能楽と現代演劇の舞台をどちらも鑑賞することで、
両者の相違点と共通点を見出し、総合的に舞台作品を見る方法を参加者が体得することによって、
観劇の楽しみを体得することを目的としたプログラムです。


 

内容
・3回の観劇、3回の観能、各レクチャーに参加する(観劇・観能及び受講は全て無料)
・修了後、報告エッセイを書く


対象(一つ以上にあてはまること)
・芸術に興味がある人
・演劇の見方を知りたい人
・お能の見方を知りたい人
・観客、俳優、スタッフとして舞台芸術に関わりたい人
・舞台作品をとにかくたくさん見たい人
・現代演劇や能楽について学びたい人
・アートマネージメントに興味がある人
・日本の歴史や文化について考えたい人


条件
・対象作品をすべて観劇し、レクチャーに参加できるよう計12日間のスケジュール調整ができること
・修了後、報告エッセイを書くこと


申込方法
下記の書類を添えて郵送もしくはEメールでお申込みください。(書式自由)
①申込書(氏名、年齢、所属/職業、住所、メールアドレス、携帯電話番号)
②自己紹介、応募理由、本プログラムに期待することなどをまとめた文章(400〜800字程度)
③能楽・現代演劇を普段からよく鑑賞するか、それぞれについての回答と頻度についてお答えください。

定員:20名 応募多数の場合は選考を行います。

応募締切:2019年7月31日(水)必着

選考結果は2019年8月10日(土)までに応募者全員に通知します。

お申込み・お問合せ
合同会社地点 606-8266 京都市左京区北白川久保田町64-22
Tel. 075-888-5343 Fax. 075-888-5344
e-mail. info@chiten.org
 

主催:合同会社地点 助成:公益財団法人セゾン文化財団

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3+3本の作品鑑賞

 

現代演劇

1 地点『三人姉妹』 ナビゲーター:中村唯史 

ロシアの劇作家アントン・チェーホフの最高傑作とも言われる『三人姉妹』。地点の演出では、四幕の原作を75分の一幕劇に大胆に改変、大きな事件が起こらず〈静劇〉とも形容されるチェーホフ戯曲を思いもよらない激しさで表現しています。120年前に書かれた戯曲が現代にどう甦るのか。読み物としての原作戯曲と上演の違いから、言葉と演劇について考えてみましょう。

観劇 
2019年8月22日(木)〜25日(日)のいずれか 開演19:30(8/25のみ15:00)
会場:京都芸術センター(京都市中京区)

ポストレクチャー
「ロシアの文化とチェーホフ劇―<銀の時代>からソ連期まで―」
2019年8月31日(土)19:00-21:00 
会場:アンダースロー(京都市左京区)

 

中村唯史
1965年北海道生まれ。京都大学文学研究科教授。共編著に『再考ロシア・フォルマリズム』、『映像の中の冷戦後世界』、『今、ソ連文学を読み直すとは』、『ロシアの南』他。翻訳にトルストイ『ハジ・ムラート』、ゴーリキー『二十六人の男と一人の女』、バーベリ『オデッサ物語』、グロスマン『トレブリンカの地獄』(共訳)、ペレーヴィン『恐怖の兜』他。

2 地点『ハムレットマシーン』 ナビゲーター:飯島雄太郎 
 

言わずと知れたシェイクスピアの『ハムレット』をモチーフに、東西に分断されていたドイツで活躍した劇作家ハイナー・ミュラーが書いたテキストが『ハムレットマシーン』です。断片的な、たった15ページのテキストは「上演不可能」とも……? 一つの言葉から様々なイメージを取り出し、どう連鎖させていくか。物語から切り離された即物的な言葉が、演じる俳優の身体をメディアとして集積していく……。演劇ならではの体験をしてみませんか?

 

観劇
2019年10月24日(木)〜31日(木)のいずれか 開演19:30(10/27・31のみ17:00、10/29は休演日)
会場:THEATRE E9 KYOTO(京都市南区)


ポストレクチャー
「翻訳空間としての劇場」
日時:2019年10月26日(土)
会場:THEATRE E9 KYOTO(京都市南区)

ゲスト:秋草俊一郎
1979年東京都生まれ。日本大学大学院准教授。著書に『ナボコフ 訳すのは「私」――自己翻訳がひらくテクスト 』、『アメリカのナボコフ――塗りかえられた自画像』、翻訳にレイノルズ『翻訳――訳すことのストラテジー』、ナボコフ『ナボコフ・コレクション ルージン・ディフェンス 密偵』(共訳)、アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(共訳)他多数。 

 

飯島雄太郎
1987年東京生まれ。出版社勤務を経て、現在京都大学博士課程在籍中。専門は近現代ドイツ文学。2008年『三人姉妹』で地点と出会い、アンダースロー開場時からスタッフとして関わる。今回のプログラムでは観客がある作品と出会った際にどのように自分の中の関心と結びつけていくかを体現する〈観客代表〉のナビゲーター役をつとめる。

3  KUNIO『グリークス』  ナビゲーター:森山直人

演出家・杉原邦生によるカンパニー「KUNIO」の最新作はなんと10時間超の大作。『グリークス』は英国人演出家ジョン・バートンと翻訳家ケネス・カヴァンダーが、10本のギリシア悲劇を再構成した舞台作品です。「戦争」「殺人」「神々」の全三部からなる、人類史・世界史を考えずにはいられない壮大なスケール。いくつもの作品を続けて見る能の公演に比べると上演時間の短い現代演劇ですが、10時間の観劇のはてには、何が見えるでしょうか?  

 

観劇
2019年11月10日(日)11:00開演
会場:京都芸術劇場春秋座(京都市左京区)

 

ポストレクチャー
「ギリシア悲劇と現代日本」
2019年11月12日(火)19:00-21:00
会場:アンダースロー(京都市左京区)

 

森山直人
1968年東京生まれ。京都造形芸術大学芸術学部舞台芸術学科教授、同大学舞台芸術研究センター主任研究員、及び機関誌『舞台芸術』編集委員。KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)実行委員長。著書に『舞台芸術の魅力』(共著、放送大学教育振興会)など。主な論文に、「「日本現代演劇史」という「実験」――批評的素描の試み」(『舞台芸術』22号)他多数。

能楽

1 道の会『屋島』『石橋』ほか ナビゲーター:田茂井廣道

 

能楽師の修行において節目となる演目を初めて上演することを「披き(ひらき)」と言います。無事に演じることで技量を認められ、演者として「一回り大きく」なるのです。そんな特別の舞台を鑑賞してみませんか? 今回の公演ではナビゲーターをつとめる田茂井廣道先生による重習(おもならい)の『屋島』が上演されます。大事な節目をお祝いムードに包まれる能楽堂で、親から子へ、師匠から弟子へと受け継がれていく能楽の伝統と修行のプロセスに迫ってみましょう。

観能
2019年10月19日(土)11:00開演
会場:京都観世会館(京都市左京区)

 

プレレクチャー
「能楽師の修行のプロセス〜〈披き〉という仕組み」
2019年9月30日(月)19:00-21:00
会場:アンダースロー(京都市左京区)

 

田茂井廣道
1970年生まれ。観世流シテ方能楽師。幼少より河村晴夫長じて13 世林喜右衛門に師事。公益社団法人能楽協会社員、同京都支部常議員、同教育特別委員。京都芸術センター主催「素謡の会」「T.T.T.( トラディショナル・シアター・トレーニング)」ナビゲーター及び講師。観劇観能エクスチェンジ・プログラムへは2018 年度に引き続き参加。

2 金剛定期能『江口』『大蛇』 ナビゲーター:天野文雄

謡本と言われるテキストを携えての鑑賞も観能のスタイルとしては一般的ですが、能はたんに物語を伝えるためのものではないと天野文雄先生は言います。かといって、パフォーマンスがテキストよりも常に優位ということでもありません。能のテキストを丁寧に読むと、その〈作意〉や〈趣向〉を読み取ることができます。より深く作品世界を理解することが、能楽堂での新しい発見をもたらす……。その醍醐味をおぼえたら、能楽鑑賞はやめられない!? 

観能 
2019年11月24日(日)13:30開演
会場:金剛能楽堂(京都市上京区)

プレレクチャー
「能の〈作意〉と〈趣向〉を考える〜『江口』を巡って」
2019年11月19日(火)19:00-21:00 
会場:アンダースロー(京都市左京区)

 

天野文雄
1946 年東京生まれ。京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長。2010 年に大阪大学大学院文学研究科教授を定年退職。大阪大学名誉教授。観世寿夫記念法政大学能楽賞、日本演劇会河竹賞などを受賞。著書に、『世阿弥がいた場所ー能大成期の能と能役者の環境』『能に憑かれた権力者―秀吉能楽愛好記』『翁猿楽研究』『現代能楽講義』など。観劇観能エクスチェンジ・プログラムへは2018 年度に 引き続き参加。

3 林定期能『忠度』『春日龍神』 ナビゲーター:藤田隆則


シテの台詞を地謡が謡う? ワキも地謡の一員だった? 日本伝統音楽研究センターの藤田隆則先生によると、現在「地謡」と呼ばれている多人数合唱の歴史を紐解くと、演出により声の主体が変容しているのがわかると言います。鑑賞する『忠度』を題材に、声の主体の変容とはどういうことかを具体的に考察します。今後、能を見るときにはそれが「誰の声」なのか、気になるかも!?

観能
2019年12月8日(日)12:30開演
会場:京都観世会館(京都市左京区)

 

プレレクチャー
「能の音楽的基盤〜声と主体の変容」
2019年12月3日(火)19:00-21:00 
会場:アンダースロー(京都市左京区)

 

藤田隆則
1961年山口生まれ。能をはじめとする日本の中世芸能および宗教儀礼の、音楽的側面を中心とした様式研究、および、古典音楽・芸能の伝承・教授システムの研究を行う。ミシガン大学日本研究センター招聘教授等をへて、2005 年より京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター助教授。2012 年より教授。

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全回参加はむずかしい、でも、私も参加してみたい……という方へ
すべての演目で手引き+鑑賞+レクチャーの一連の参加を受け付けます。
*金額にはチケット料金・鑑賞の手引き・レクチャー受講料が含まれます。

 

 

演目

会場

料金

現代演劇

①地点『三人姉妹』

京都芸術センター

一般¥5,000
学生¥4,000

②地点『ハムレットマシーン』

THEATRE E9 KYOTO

一般¥4,200
学生¥3,200

③KUNIO『グリークス』

京都芸術劇場春秋座

一般¥8,000
学生¥4,000

能楽

①道の会『屋島』『石橋』ほか

京都観世会館

一般(1階指定席)¥9,000
(2階席)
¥6,000

学生(2階席のみ)¥4,000

②金剛能楽堂『江口』『大蛇』

金剛能楽堂

一般¥6,000
学生¥3,500

③林定期能『忠度』『春日龍神』

京都観世会館

一般¥5,500
学生¥3,500

お申込み(随時受付):地点 http://chiten.org/ TEL. 075-888-5343 

 
1256_128.png ↓パンフレットダウンロード
 
 
 
本プログラムはアンダースローで2014年、2015年、2017年に開催された「カルチベート・プログラム」を前身とするものです。過去のプログラムについては下記をご覧ください。
カルチベート・プログラム2014 culpro2017_banar_2015_01.pngカルチベート・プログラム2014 報告エッセイ集