イヴ・シリーズに続くリーディング企画〈文学カフェ〉、次の開催が決定!!

"詩と散文の境界線上の文学"を志向したイサーク・バーベリ『騎兵隊』

 

ロシアには、詩人や作家が新作を書き上げると文学サロンやカフェなどで朗読を行うという文化があり、聴衆と作家の交流の場になっていました。
お茶や食事を楽しみながら、文化の薫りや文学にどっぷり浸るひとときは、たまらなく贅沢な時間です。
 
一昨年オープンしたタッパウェイと共同で、そのような〈文学カフェ〉をアンダースローに出現させようというのが、この新企画です。
戯曲を扱った〈イヴ・シリーズ〉に対して〈文学カフェ〉では短編小説、散文を中心にできるだけノーカットでお届けする予定。また、お茶とお菓子をサーブし、解説つきというサロン的な雰囲気も含めてお楽しみいただければと思っています。
 
五感を使って楽しむ文学。小説を舞台化するときにはどうしてもこぼれ落ちてしまうような文字の切れ味、不思議さや、ささやかな胸の高鳴りも丁寧に掬い取っていきます。

 

 
 
「撃つだけでは魂にまでは至れない。人のどこに魂があるのか、それがどんなざまなのかを知るところまで行き着けない。よくある言い草だが、俺は労を惜しみはしない。一時間でも、いや、それよりももっとずっと敵を踏みにじってやる。生きるってことがどんなものかをわかりたいんだ。それが俺たちにとって、いったい何なのかを知りたいんだ……」

————イサーク・バーベリ『騎兵隊』より 
 
 

イサーク・バーベリ(1894-1940)は現在のウクライナ・オデーサ(オデッサ)で生まれ、その特異な文体で短編の名手として一世を風靡したユダヤ系作家です。
1920年にソヴィエト-ポーランド戦争に従軍し、その経験と印象を連作短編集『騎兵隊』にまとめました。
執筆の際は、始めから終わりまでを頭の中で組み立ててから何度も繰り返し暗誦し、最後まで完成してからはじめて紙に書きつけたというバーベリ。クライマックスからクライマックスへ、断片と断片が連なるモンタージュを思わせる手法を駆使して、戦争の不条理と悲哀を描きました。
アンダースローの空間で、俳優の声を通してお楽しみください。
 
 
『騎兵隊』
 
作:イサーク・バーベリ
翻訳:中村唯史 
 
演出:三浦基 
出演:安部聡子 石田大 小林洋平
 
照明:藤原康弘
宣伝美術:松本久木
制作:田嶋結菜 
 
日程:
2024年
6月22日(土)15:00
6月23日(日)15:00           
 
★両日とも、朗読前にプレトークあり。ゲスト:中村唯史
開場は開演の60分前
 
会場: アンダースロー
京都市左京区北白川久保田町21地下1階
 
料金:
一般 4,000円 学生 3,000円
お茶とお菓子のセットがついています。開場時間からお楽しみいただけます。
 
 
チケット取扱:
▽地点WEB予約フォーム http://chiten.org/underthrow_form/
 
 
 
イサーク・バーベリ
1894年、ユダヤ人商人の家庭に生まれる。1920年に始まったソヴィエト-ポーランド戦争に赤軍コサック騎兵隊の特派員として従軍後、ユダヤ人ギャングの暗躍を語った連作『オデッサ物語』と、後に本書『騎兵隊』にまとめられる諸短篇を発表、1920年代半ばのロシア文学界に衝撃を与えた。ほかに『私の鳩小屋の話』から始まる自伝的短編群や、戯曲『黄昏』『マリア』などがある。1939年5月に外国人スパイとの接触等の嫌疑で逮捕され、翌1月に銃殺された。
 
 
中村唯史
1965年北海道生まれ。京都大学文学研究科教授。共編著に『再考ロシア・フォルマリズム』、『映像の中の冷戦後世界』、『自叙の迷宮』、『ロシア文学からの旅 交錯する人と言葉』ほか。翻訳にトルストイ『ハジ・ムラート』、ゴーリキー『二十六人の男と一人の女』、バーベリ『オデッサ物語』、グロスマン『トレブリンカの地獄』(共訳)、ペレーヴィン『恐怖の兜』ほか。
 
 
◎本公演は『騎兵隊』(2022年・松籟社刊)を使用してのリーディング公演になります。
*会場で販売予定です。