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劇団CHITEN

2008 新国立劇場 / 提供:東京室内歌劇場

流刑地にて

  • #カフカ
  • #三浦基演出委嘱作品
  • #オペラ
  • #フィリップ・グラス

あのころのことを今わかっていただくことは不可能だ、ということは私もよく知っています。
それに機械はまだ動いていますし、ひとりで働きます。
機械はこの谷間にひとりぼっちになっていても、ひとりで働くでしょう。

作品概要
三浦基が初めて演出を手がけたオペラ作品。フィリップ・グラスの音楽そのものを処刑機械に見立て、舞台の左右に大きく触れる氷の振り子は機械が心臓を貫くまでの時間を可視化した。本作で初めて三浦基演出作品に出演した青戸知は2013年に『駈込ミ訴ヘ』で舞台を共にすることになる。

実は、今回もともとの台本の配役の設定を少し変更しています。歌詞のない兵士と囚人という役がありましたがそれらをやめて「彼」という役を新しく捏造しました。その理由はオペラにおいて歌詞のない役が、物語の説明的道具で終わってしまうことへの警戒もありましたが、それ以上に、この作品では不特定な人物、よく分からない人物こそが必要だと感じたからです。この物語の基調は旅人と仕官の告白や対話で構成されていますが、それとは関係ない人、もっと外側にいる存在がほしいと思ったわけです。

私がカフカに惹かれるのは、具体と抽象が入り混じっているところです。どうしても見なくてはいけない、眼をそらしてはいけないと思わせるようなことを強制してくるくせに、その実体が鮮明には見えないと訴えられているような気がします。この悶々とした空気は一体どのようなものなのかを具体的に舞台にしたいと考えました。そこで音楽の力を最大限に駆使することを試みました。音楽に空間はあるのか? ということを私が演劇をつくるときもいつも問題にしているので、そのことを明確に可視化することで、観念という具体物を見たいと考えたのです。

『流刑地にて』は処刑場にある機械が舞台ですが、今回の演出では劇場全体が機械でその心臓部がオーケストラであるという設えにしました。音楽を見るという発想が、カフカの世界を聴くという複雑な関係体験になるのではないかと考えています。その複雑さは、自分の罪状も分からないまま処刑にかけられるという不条理な『流刑地にて』のテーマだと思っています。

三浦 基
出典:当日パンフレット

  • 2008
    日程・会場
    2008.3.14-16 新国立劇場 小劇場
    原作
    フランツ・カフカ
    台本
    ルドルフ・ヴルリッツァー
    作曲
    フィリップ・グラス
    指揮
    中川賢一
    演出
    三浦基
    出演
    (テノール)経種廉彦/小林彰英
    (バリトン)青戸知/岡本敦司
    石田大
    演奏
    クァルテット・エクセルシオ&山本修
    第1ヴァイオリン:西野ゆか
    第2ヴァイオリン:山田百子
    ヴィオラ:吉田有紀子
    チェロ:大友肇
    コントラバス:山本修
    スタッフ
    美術:杉山至
    衣裳:堂本教子
    照明:吉本有輝子
    映像:山田晋平
    舞台監督:津田光正 尾崎裕
    副指揮:柴田真郁 新垣隆 海野幹雄
    コレペティトゥア:松井啓子 久保晃子 松本康子
    演出助手:村川拓也
    言語指導・字幕原稿:三ヶ尻正
    舞台監督助手:大平扶紀子 齋藤英明
    大道具製作:金井大道具
    衣裳助手:平岡容子 台三雄
    照明操作:伊藤泰行
    ヘア・メイク:篠崎圭子
    小道具:高津映画装飾美術
    履物:神田屋
    制作協力:田嶋結菜
    制作統括:竹澤嘉明
    制作:池田志保
    主催
    東京室内歌劇場
    助成
    財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団
    平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業
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