劇団CHITEN
2023 KAAT神奈川芸術劇場 / 撮影:松見拓也
騒音。
見ているのに見えない。
見えなくても見ている!
いったい誰が、私たちなんかを監視したがるのでしょうか、私たちは何でもありません、私たちは取るに足りない人間でしかありません、億万長者が私たちなんかに興味をもつはずがないでしょう、私たちが自分の客だというわけでもあるまいし、どうしてそんな人が、私たちを破滅させる発明のためにお金を払うというのでしょうか、私たちに、わざわざそんなことをするほどの価値はありません、私たちの生き残りはどこにいるのですか、どこにいればやられないですむのですか、どこに行けば客でありつづけることができるのですか。いったい、どこに行ってしまったのですか、客は。誰も来ないではありませんか。
作品概要
パンデミックをテーマとしたイェリネクの最新作を本邦初上演。第7波、第8波と、寄せては返す波のように増減を繰り返す感染者数とモチーフとなった『オデュッセイア』のイメージが掛け合わされたからなのか、テキスト中に頻出する「海」を手がかりに、三輪眞弘による2ビットガムランを伴って「祈り」の場をつくり、ときには殲滅されんとするウイルスを召喚しての「祭祀」を執り行う設えとなった。昇降するビニールスクリーンとバランスボールの上に載せられた不安定な盆舞台による空間造形は出色のできばえ。
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2023日程・会場2023.2.16-23 KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉作エルフリーデ・イェリネク翻訳津崎正行演出三浦基出演安部聡子
石田大
小河原康二
窪田史恵
小林洋平
田中祐気音楽監督三輪眞弘
演奏ジャワガムランアンサンブル マルガサリ(大井卓也 谷口かんな[映像出演])スタッフ舞台美術:木津潤平
衣裳:コレット・ウシャール
照明:藤原康弘
音響:徳久礼子(KAAT神奈川芸術劇場)
映像:後藤 天 圜羽山圜
大道具:C-COM
舞台監督:大鹿展明 鈴木章友
広報:林莉香
宣伝美術:松本久木
制作:田嶋結菜 外山りき特別協力左近田展康(フォルマント音声合成)協力IAMASU(情報科学芸術大学院大学)
主催合同会社地点提携KAAT神奈川芸術劇場
助成文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
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