劇団CHITEN
2024 アンダースロー / 撮影:松見拓也
騎兵隊
撃つだけでは魂にまでは至れない。人のどこに魂があるのか、それがどんなざまなのかを知るところまで行き着けない。よくある言い草だが、俺は労を惜しみはしない。一時間でも、いや、それよりももっとずっと敵を踏みにじってやる。生きるってことがどんなものかをわかりたいんだ。それが俺たちにとって、いったい何なのかを知りたいんだ……
作品概要
文学カフェの第2回目は、奇しくも初回に続いてユダヤ系作家をとりあげることになった。翻訳を手がけた中村唯史氏によるバーベリの文体についての解説の後、34篇からなる短編集から8篇を再構成して朗読した。頻出する月と太陽の描写、目についての描写をのろのろと廻るミラーボールが視覚化。コサックが唱和したという歌を口ずさみ、蜜蜂へ哀悼ささげつつ、疾駆する馬に運ばれて終幕となった。この日のお菓子は、ロシアの蜂蜜ケーキ「メドヴィグ」。
イサーク・バーベリ(1894-1940)は現在のウクライナ・オデーサ(オデッサ)で生まれ、その特異な文体で短編の名手として一世を風靡したユダヤ系作家です。 1920年にソヴィエト-ポーランド戦争に従軍し、後にその経験と印象を連作短編集『騎兵隊』にまとめました。 執筆の際は、始めから終わりまでを頭の中で組み立ててから何度も繰り返し暗誦し、最後まで完成してからはじめて紙に書きつけたというバーベリ。クライマックスからクライマックスへ、断片と断片が連なるモンタージュを思わせる手法を駆使して、戦争の不条理と悲哀を描きました。 アンダースローの空間で、俳優の声を通してお楽しみください。
出典:チラシ
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2024日程・会場2024.6.22-23 アンダースロー作イサーク・バーベリ翻訳・プレトーク中村唯史演出三浦基出演安部聡子
石田大
小林洋平スタッフ照明:藤原康弘
テーブル製作:山本将史
宣伝美術:松本久木
制作:田嶋結菜
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