劇団CHITEN
提供:(財)舞台芸術財団演劇人会議
かもめ
真剣なものだけが美しい。なんて蒼い顔をしてるの!
作品概要
京都に移転した地点が意気揚々と最初につくった作品がこの『かもめ』。メンバーの引っ越しと併行しながら真夏の京都で稽古をした。残念ながら最優秀賞受賞を逃し(その年は該当者なしの結果)、出ばなをくじかれて夏は終わった。最初で最後の野外公演、幻の作品である。地点が次に『かもめ』を上演するのはこの2年後となった。
『かもめ』の強度は結末にある。作家志望の青年トレープレフが、人生に絶望しピストル自殺をする。これはあまりに滑稽で、悲しい。唐突な死ほど強い衝撃はない。私にとって演劇とは、「死者の視点から物語を語り、時間を再生すること」である。『かもめ』の演出は、戯曲の死の唐突性と演劇における死の必然性をいかに結びつけるか、に尽きる。その手段として、劇中劇という構成を利用し反復される死の幻影を前提とした。そして、生贄、祝祭、芸能を手掛りに、生の過剰な賑わいと残酷性を原作から抽出した。それは、演劇の脆さと豊かさを見極める作業そのものであり、チェーホフ戯曲の中でも私的要素の強い『かもめ』の魅力そのものなのだ。
三浦 基
出典:当日パンフレット
-
2005日程・会場2005.8.21 / 9.3 利賀芸術公園 特設野外劇場原作アントン・チェーホフ翻訳神西清演出三浦基出演安部聡子
石田大
大庭裕介
小林洋平
申瑞季スタッフ演出助手:村川拓也
照明:吉本有輝子
映像:山田晋平
美術:杉山至
音響:堂岡俊弘
照明オペ・助手:葛西健一 高原文江
制作:田嶋結菜 橋本裕介主催地点利賀演出家コンクール優秀賞受賞
関連コンテンツ