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劇団CHITEN
20256.23
9.15

演劇ブルペン2025

@アンダースロー
  • #アンダースロー
  • #演劇ブルペン
  • #小林洋平

今年度の「演劇ブルペン」は地点の俳優・小林洋平による〈俳優のための夜学〉です。

 
昨年はテキストから舞台を立ち上げるプロセスと舞台に関わる様々な職能について学んだ演劇ブルペン。今年は俳優の仕事に特化した〈俳優のための夜学〉を開講します(講師:小林洋平)。普遍的な俳優の仕事と、今まで地点が創り上げてきた演劇論を実践を通して学びます。

 

 地点の演劇は前衛的……分かりにくい……そんなイメージがあるかもしれません。しかし稽古の段階では、原作の本質を丁寧に汲みとり、オーソドックスな演技から始めることがほとんどです。原作のエッセンスを抽出し、煮詰めたものが作品になるのです(煮詰め方が極端な時もありますが……)。
 地点の演劇は「テキストを使ったスポーツ」「テキストを使ったゲーム」「テキストを使ったダンス」といった側面が多分にあります。時に台詞はスポーツをしながらの方がよく聴こえることがあるからです。スポーツでは感情の解放よりも反射神経の鋭敏さが求められます。演劇的ではない集中力がテキストの真価を掘り起こし、感動を生むことはとても多いのです。例えば、映画『シン・ゴジラ』の作戦会議のシーンなどはカット割がとても細かく台詞も早口です。そのため俳優は感情を作っている時間がない、監督が作らせないという話を聞いたことがあります。そうすることでシーンがスピーディーに展開し、緊迫感が続くというのです。地点が舞台上でスポーツやゲーム性の強い演技をしているのと、とても似ています。
 緊張感や集中力を重要視するのと並行して、物語や原作の持つ文学性ももちろん大事な要素です。これらが調和したものが、地点の目指す演劇であると考えています。言葉を発するのは楽しいものです。赤ちゃんが唇を振るわせることを楽しむように口から音声を発することには根源的な快楽があります。ラップで韻を踏むのもこれに近い快楽なのかもしれません。そこに言葉の意味が合致してイメージが広がったら尚更です。
 地点の演劇を構成するスポーツ性と文学性、この両面から俳優の仕事と技術について考え実践するのが〈俳優のための夜学〉です。

小林洋平

 

 

  • 内容

    ▶︎舞台に立ってみる 

    2025年6月23日(月)19:00-21:00
    とりあえず舞台に立ってみましょう。観客席から眺めるのではなく、舞台に立って見られる立場になるのは想像以上に緊張感があり、そして高揚感があるものです。その舞台でどう振る舞えば観客がおもしろがるのかを一から考えていきます。
    自分は観客にどういうイメージを持たれるのか。自分の声はどんな印象を与えるのか。自分では気付かなかった自らの持ち味が分かるかもしれません。

    ▶︎声を出してみる 

    2025年6月30日(月)19:00-21:00
    俳優の仕事の中で特に重要なのが、声を出すこと、つまり、台詞を喋ることです。声が小さい、滑舌が悪い、色々な悩みが付きまとう部分です。発声練習はどうしたらいいのか? そもそも必要なのか? 等、声を出すことを根本のところから学んでいきます。

    ▶︎動いてみる 

    2025年7月7日(月)19:00-21:00
    「舞台の上を三歩以上普通に歩いてはいけない」という暗黙のルールが以前、地点にはありました。俳優が舞台で動くとはどのような意味を持つのか。歩くという動作すら疑ってかかることで、俳優の仕事の多様性に気づくことができます。

    ▶︎読んでみる 

    2025年7月14日(月)19:00-21:00
    色々なテキストを読んでみましょう。日本の戯曲、翻訳戯曲、小説、漫画、医学書、広告……。それぞれ異なった雰囲気を持ったテキスト。どのようにテキストにアタックしていけばいいのか。俳優の仕事の核心に迫ります。

    ▶︎ノリを見つけてみる 

    2025年7月21日(月)19:00-21:00
    特徴的な語尾や繰り返し出てくる単語など、テキストにはそれぞれ固有の「ノリ」があります。これに気づけばリズムがつかめ、グッとテキストが自分に近づきます。この回では地点特有の「スラッシュ」や言葉遊びを取り入れた「洋平タイム」の解説をします。

    ▶︎ずらしてみる 

    2025年7月28日(月)19:00-21:00
    演技をずらすとはどういうことなのか。この「ずらす」という作業は俳優の仕事の中で、最もクリエイティブで個人のセンスが反映されるポイントです。普通にはやらない。しかし核心をついていないといけない。そして、なぜずらすのか。ブレヒトの「異化効果」を例に、映像を使って分かりやすく解説します。

    ▶︎外国語を発語してみる 

    2025年8月4日(月)19:00-21:00
    意味に捉われがちな日本語。どうしたらフラットに発語できるのか。その一つの手段として外国語を発語してみます。外国語の持っているニュアンスやリズム感を経験した上で日本語に戻るとどう認識が変わるのか。
    7ヶ国語で上演された地点の『ノー・ライト』(7人の俳優がそれぞれ1言語を担当)を教材に、言語を操るという感覚に触れてみます。

    ▶︎状態・状況を変えてみる 

    2025年8月11日(月)・12日(火)いずれも19:00-21:00
    テキストの「ノリ」から生まれる演技もありますが、状態や状況から生まれる演技もあります。心の状態(楽しい、悲しい)・体の状態(歯が抜けている、目が見えない)・場の状況(演説をする、相手が遠くにいる)等、俳優の対応力と演技のバリエーションを考える実践的な授業です。

    ▶︎身振りを考えてみる 

    2025年9月1日(月)19:00-21:00 
    台詞に「説明台詞」があるように、身振りには「説明動き」があります。地点の作品には身振りから生まれた振り付けやダンスがたくさんあります。なぜ身振りをダンスに変換するのか? 作品中に出てきたダンスの解説とともに、身振りを通して俳優の行動を考えます。

    ▶︎“とりあえず”演じてみる 

    2025年9月8日(月)・15日(月)いずれも19:00-21:00
    今まで学んだことを踏まえて、実際に演じてみます。覚えている台詞を即興で喋ったり、動きを考えたり。どうすれば舞台上で起きていることが面白くなるのか。頭で考えていても表現にはなりません。とりあえず舞台でやってみることから、俳優の仕事が始まるのです。

開催概要
①舞台に立ってみる 
6月23日(月)19:00-21:00

②声を出してみる 
6月30日(月)19:00-21:00

③動いてみる 
7月7日(月)19:00-21:00

④読んでみる 
2025年7月14日(月)19:00-21:00

⑤ノリを見つけてみる 
7月21日(月)19:00-21:00

⑥ずらしてみる 
7月28日(月)19:00-21:00

⑦外国語を発語してみる 
8月4日(月)19:00-21:00

⑧⑨状態・状況を変えてみる 
8月11日(月)・12日(火)いずれも19:00-21:00

⑩身振りを考えてみる 
9月1日(月)19:00-21:00 

⑪⑫“とりあえず”演じてみる 
9月8日(月)・15日(月)いずれも19:00-21:00

全12回
会場:アンダースロー

◎対象
俳優・演出家・制作者志望者
俳優の仕事に興味のある方
※記録用に映像・写真の撮影を行います。参加者は写らないよう配慮しますが、予めご了承ください。

◎受講料
通し受講(12回) 36,000円 
単発受講 4,000円/回
※通し受講をご希望の方は予約時にクレジットカードでお支払いください

◎申込方法
専用フォームからお申し込みください https://form.run/@engeki-bullpen
受付開始:2025年4月28日(月)10:00

◎通し受講応募締切:2025年6月16日(月)23:59

◎定員あり・先着順
・定員に達し次第、受付終了
・通し受講でお申し込みの方を優先させていただくため、単発受講のお申し込みをお断りする場合がございます。予めご了承ください。


主催・お問い合わせ
合同会社地点 
京都市左京区北白川久保田町13-2
TEL. 075-366-5589
e-mail. info@chiten.org

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