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雑誌はますます売れなくなってきているのに、なにをいまさら。暴挙ではないか?
そんな親切な忠告にはおかまいなしに、観客はおしゃべりをはじめてしまいます。
いや、すでにはじめてしまっています。
2016年9月、京都・北白川の地下劇場「アンダースロー」があらたに投じるのは、
観客による、観客のための雑誌です。
 
まずは、ひとつの草案のように、ひとつの草稿のように、「草号」を編むことからはじめます。
この草が、おもいもよらないところにまで、繁茂していくように。
 
 

 

 

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前線の停滞する2017年6月、
忘れる日本人(たち)に捧げる
最後の草号!
 
松原俊太郎の戯曲「忘れる日本人」、ついに完結。
 
写真家・石川竜一が、彼の忘却と記憶、過去と未来、意識と無意識、を語りつくす。
 
初期近代ヨーロッパの記憶術を研究する桑木野幸司と
現代日本の空間にふさわしい忘却術をさぐる。
 
60年代アングラ演劇の研究者・梅山いつきと、地下室での3日間合宿。
3年後の「レガシー」を忘れるために、食べて、飲んで、しゃべって、ときどき黙る。
 
三浦基が連載の最終回であらためて芸術を宗教から解放することを訴える。
 
*
 
『地下室』草号3
編集:地下室編集部(編集/赤嶺宏介 営業/井上彼方 制作/田嶋結菜 主筆/松原俊太郎 デザイン/松本久木 演出/三浦 基)
発行所:アンダースロー(合同会社地点)
発売元:松本工房
2017年6月30日発行
B5判/64頁
定価:750円+税
ISBN978-4-944055-92-0
 
*
 
[文章]
忘れる日本人《三》/松原俊太郎
石川竜一の意識が地下室で語る
現代日本の忘却術=記憶術のために/桑木野幸司
あゝ、レガシー/梅山いつき+地下室編集部
信仰とは芸術にとってひとつのさぼりである——なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか? 最終回/三浦基
 
[写真]
石川竜一
 
*
 
石川竜一(いしかわ・りゅういち)
写真家。1984年沖縄県生まれ。写真集に『絶景のポリフォニー』、『okinawan portraits 2010–2012』、『adrenamix』、『CAMP』、『okinawan portraits 2012–2016』がある。
 
梅山いつき(うめやま・いつき)
演劇研究者。1981年新潟県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学演劇博物館で現代演劇に関する企画展を手がけ、現在、近畿大学文芸学部で講師を務める。アングラ演劇のポスター、機関誌をめぐる研究や、野外演劇集団にスポットを当てたフィールドワークを展開している。著書に『アングラ演劇論』(作品社、AICT演劇評論賞受賞)、『60年代演劇再考』(岡室美奈子との共編著、水声社)。
 
桑木野幸司(くわきの・こうじ)
大阪大学大学院文学研究科准教授。1975年静岡県生まれ。専門は初期近代西欧の建築・美術・庭園史、思想史、科学史。現在は「空間史」の視点から、テクストとイメージと空間の創造的な融合の場面を探っている。著書に Architetto sapiente: Giardino, teatro, città come schemi mnemonici tra il XVI e il XVII secolo (Olshki, 2011)、『叡智の建築家』(中央公論美術出版、2013)など。ほか翻訳・論文多数。第8回日本学術振興会賞受賞。
 
松原俊太郎(まつばら・しゅんたろう) 
作家。1988年生まれ。熊本市出身。神戸大学経済学部卒。地点『ファッツァー』で演劇と出会う。2015年、処女戯曲『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞(愛知県芸術劇場主催)大賞を受賞。2017年4月、戯曲『忘れる日本人』がKAATで地点により上演された。2016–2018年度、「演劇計画Ⅱ」(京都芸術センター主催)に委嘱劇作家として参加。
 
三浦 基(みうら・もとい) 
演出家。劇団「地点」代表。1973年生まれ。1999年より文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。主な作品にチェーホフ作『桜の園』『三人姉妹』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。2013年、京都にアトリエ「アンダースロー」を開場。著書に『おもしろければOKか? 現代演劇考』。2017年、読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。
 
 

 

 

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半年ぶりの『地下室』最新号がむかうのは、そこかしこに草たちの群れつどう夜。
アスファルトのひび割れに発芽するコケたちの夜。高架下で商いをはじめる包丁研ぎたちの夜。
そして、生きていようと死んでいようと、あなたがあなたを彼らのあいだに発見する夜。
そんな夜のために、2017年3月、アンダースローから「草号2」をお届けします。
 
*
 
『地下室』草号2
編集:地下室編集部(編集/赤嶺宏介 営業/井上彼方 制作/田嶋結菜 主筆/松原俊太郎 デザイン/松本久木 演出/三浦 基)
発行所:アンダースロー(合同会社地点)
発売元:松本工房
2017年3月31日発行
B5判/44頁
定価:650円+税
ISBN978-4-944055-88-3
 
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[文章]
こけのむすまで/田中美穂
ポートアイランドに東屋——接点の見える空間をつくる/家成俊勝
死者が名前を持つには信仰を持ち出さなければならない
——なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか? 2/三浦 基
忘れる日本人《二》/松原俊太郎
 
[写真]
石川竜一
 
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家成俊勝(いえなり・としかつ)
建築家。京都造形芸術大学准教授。1974年兵庫県生まれ。2004年、赤代武志とドットアーキテクツを設立。アート、オルタナティブメディア、建築、地域研究、NPOなどが集まるコーポ北加賀屋を拠点に活動。代表作は Umaki Camp(2013、小豆島)など。第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2016)にて審査員特別表彰を受賞(日本館出展作家)。
 
石川竜一(いしかわ・りゅういち)
写真家。1984年沖縄県生まれ。写真集に『絶景のポリフォニー』、『okinawan portraits 2010–2012』、『adrenamix』、『CAMP』、『okinawan portraits 2012–2016』がある。沖縄県立博物館・美術館「写真家が見つめた沖縄 1972–2017」展(2017年4月25日より5月21日まで開催)の展覧会ディレクターを務める。2017年3月25日より4月25日までアンダースローにて石川竜一写真展『草に沖に』が開催される。
 
田中美穂(たなか・みほ)
古本屋「蟲文庫」店主。1972年岡山県倉敷市生まれ。岡山コケの会、日本蘚苔類学会会員。著書に『苔とあるく』『亀のひみつ』(ともにWAVE出版)、『ときめくコケ図鑑』(山と渓谷社)、『わたしの小さな古本屋』(ちくま文庫)、編著に『胞子文学名作選』(港の人)、ほか原民喜『幼年画』(瀬戸内人)、龍膽寺雄『シャボテン幻想』(ちくま学芸文庫)の解説を書いている。
 
松原俊太郎(まつばら・しゅんたろう)
作家。1988年5月生。熊本県熊本市出身。神戸大学経済学部卒。地点『ファッツァー』で演劇と出会う。2015年、処女戯曲『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞(愛知県芸術劇場主催)大賞を受賞。2017年4月、戯曲『忘れる日本人』をKAATで地点が上演予定。2016–2018年度、演劇計画Ⅱ(京都芸術センター主催)に委嘱劇作家として参加。
 
三浦 基(みうら・もとい)
演出家。劇団「地点」代表。1973年生まれ。文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。主な作品にチェーホフ作『桜の園』『三人姉妹』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。2013年、京都にアトリエ「アンダースロー」を開場。著書に『おもしろければOKか? 現代演劇考』。2017年、第24回読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。
 
 

 

 

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『地下室』草号1
編集:地下室編集部(編集/赤嶺宏介 営業/井上彼方 制作/田嶋結菜 主筆/松原俊太郎 デザイン/松本久木 演出/三浦 基)
発行所:アンダースロー(合同会社地点)
発売元:松本工房
2016年9月30日発行
B5判/44頁
定価:650円+税
ISBN978-4-944055-84-5
 
*
 
[文章]
わたしのマニフェスト/地下室編集部
なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか?/三浦 基
だが、そもそも「スタニスラフスキー・システム」とはなにか?(採録)/永田 靖
あなたのなかの〈群れ〉を発見せよ/松嶋 健
忘れる日本人《一》/松原俊太郎
 
[写真]
石川竜一
 
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石川竜一(いしかわ・りゅういち)
写真家。1984年沖縄県生まれ。写真集に『絶景のポリフォニー』、『okinawan portraits 2010–2012』、『adrenamix』、『CAMP』、『okinawan portraits 2012–2016』がある。2016年9月25日まで三菱地所アルティアムにて個展「okinawan portraits 2012–2016」を開催、2016年10月1日より12月14日まで横浜美術館にて「BODY/PLAY/POLITICS」展に参加。
 
永田 靖(ながた・やすし)
大阪大学大学院文学研究科教授。専門は演劇学・20世紀演劇史。現在は主として日本やアジア、ロシアのインターカルチュラリズム演劇の研究を、アジア地域の演劇研究者と共同で行っている。共著に Adapting Chekhov: The Text and Its Mutations、『アヴァンギャルドの世紀』、『日本の芸術論』など。ほか翻訳・論文多数。大阪大学総合学術博物館長。日本演劇学会長。
 
松嶋 健(まつしま・たけし)
広島大学大学院社会科学研究科准教授。専門は文化人類学。イタリアの精神医療からグロトフスキの演劇まで、エコゾフィー的な自律性の条件についての探究をすすめている。著書に『プシコナウティカ:イタリア精神医療の人類学』、共著に『世界の手触り:フィールド哲学入門』『自然学:来るべき美学のために』、論文に「俳優からパフォーマーへ:グロトフスキの〈否定の道〉」など。
 
松原俊太郎(まつばら・しゅんたろう)
作家。1988年5月生。熊本県熊本市出身。神戸大学経済学部卒。ベケットとジョイスに出会い、傲慢にも小説を書き始める。5本ほど書き終えるも箸にも棒にもかからず、東京で派遣社員として労働。出会いにのみ救われ、1年間で辞職。地点『ファッツァー』で演劇と出会う。各地を転々とし、京都に歓待される。戯曲を書き始め、『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞大賞を受賞。
 
三浦 基(みうら・もとい)
演出家。劇団「地点」代表。1973年生まれ。文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。主な作品にチェーホフ作『かもめ』『三人姉妹』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。2013年、京都にアトリエ「アンダースロー」を開場。著書に『おもしろければOKか?現代演劇考』。
 
 

 

 

『地下室』は、

 
・アンダースロー(開場時)
・下記取扱店 (2017年6月現在)
 
でお求めいただけるほか、全国の書店でお取寄せ可能です。
 
〈東京〉
・三省堂書店 神保町本店
・矢口書店(神保町)
・往来堂書店(千駄木)
・古書ほうろう(千駄木)
・ジュンク堂書店 池袋本店
・紀伊國屋書店 新宿本店
・ブックファースト 新宿店
・模索舎(新宿)
・NADiff modern(渋谷)
・MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店
・NADiff a/p/a/r/t(恵比寿)
・本屋 B&B(下北沢)
・タコシェ(中野)
・本屋 Title(荻窪)
・古書 音羽館(西荻窪)
・ジュンク堂書店  吉祥寺店
・百年(吉祥寺)
・BOOKSルーエ(吉祥寺)
 
〈名古屋〉
・ON READING
・Carlova 360 NAGOYA
・ジュンク堂書店 名古屋店
・ジュンク堂書店 ロフト名古屋店
・ちくさ正文館書店 ちくさ本店
・NADiff aichi
・丸善 名古屋本店
 
〈京都〉
・恵文社 一乗寺店
・古書善行堂
・三月書房
・誠光社
・外
・ホホホ座
・丸善 京都本店
・レティシア書房
 
〈大阪〉
・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
 
〈倉敷〉
・蟲文庫
 
〈広島〉
・READAN DEAT
 
〈福岡〉
・丸善 博多店
・ジュンク堂書店 福岡店(天神)
 
〈那覇〉
・ジュンク堂書店 那覇店