この度、地点の演出家・三浦基はロシア・サンクトペテルブルクの国立劇場、ボリショイ・ドラマ劇場の依頼を受け、2019/2020年シーズンに、同劇場のレパートリーとしてドストエフスキー作『罪と罰』を制作いたします。(初演は2020年6月中旬の予定)
地点とボリショイ・ドラマ劇場(以下、BDT)との関係は、国際交流基金の招聘により2015年に来日した同劇場芸術監督アンドレイ・マグーチー氏との面会に始まりました。マグーチー氏は地点『ミステリヤ・ブッフ』を東京で、同『桜の園』を京都で観劇、翌2016年には同劇場で地点が『かもめ』を上演、2018年4月には演出家養成のためのマスタークラス講師として三浦基が単身BDTに招聘されるなど、交流は発展的に続いてきました。今回のオファーはこれまでの交流が結実したかたちとなります。
『罪と罰』は言わずとしれたドストエフスキーの代表作。小説の舞台でもあるサンクトペテルブルクで、現地の俳優と作品を創作します。また、BDTでの初演を前に地点版『罪と罰』を制作し、2020年2-3月に神奈川・京都で上演します。国内での地点による公演は、長編小説である『罪と罰』から演劇を立ち上げる上で非常に重要なプロセスであり、俳優の声と身体を通した新しい発見を積み重ねることが上演を成功に導くと考えています。地点にとっては『悪霊』以来二度目の挑戦となるドストエフスキー作品で、人間にとっての「信仰」「神」の問題と再び向き合います。どうぞご期待ください!
ボリショイ・ドラマ劇場
1919年に創立されたサンクトペテルブルグを代表するドラマ劇場。20 世紀初頭にはロシアを代表する詩人アレクサンドル・ブロークやゴーリキーらが関わる。1956 年、グリゴリー・トフストノーゴフが主席演出家になり、黄金時代を築く(1987 年、来日)。2013 年よりアンドレイ・マグーチーが芸術監督をつとめる。正式名称の「トフストノーゴフ記念ボリショイ・ドラマ劇場」ではなく、略称であった「BDT(ロシア語の発音ではベーデーテー)」をより強く打ち出しているのはマグーチー芸術監督に変わってから。https://bdt.spb.ru
地点『罪と罰』
2020年 3月20日(金・祝)19:00